あおいあおいはなのように。儚い言葉、紡ぎ落として


by blueblue_darkrose

更新リク。応えられるのはイラストかSSのみ(のみってあんた…

女の笑みは嫣然と
男の怒号は轟然と

女は舞を舞うように首を斬り飛ばし
                                                    阿鼻
男は振り下ろす腕で半身をひき潰した
                                                    叫喚

艶やかな黒髪が、血しぶきに濡れてしとる。
撓む肉が弾けたばねのように撃ちだされる。

「ふ、はは、大嶽、うれしやねぇ。久方ぶりの逢瀬が地獄絵図!そなたらしいというかなんというか」

にぃ、と紅唇が笑みを象る。婀娜な仕草で鉄扇を振り払い、こびりついた血漿を振り落とした。

「そういう九曜、おめぇはあいもかわらず隠居暮らしか。さすがろ―――」     老/婆
その言葉は形を作る前に、嫣然と微笑む女の手により引き裂かれた

「ほほほ、そなたの口の悪さも相変わらずだこと。けれど、けれどねぇ。口の悪さを向ける相手を誤るとは、珍しいことだぇ」

ぱしん!と大陸に渡り、武器として戻ってきた鉄扇が閉じられる。粘つく血は一挙動の内に振り払われた。
頬の肉をごそりともって行かれた大嶽は呆れたように溜息を一つ。筋骨粒々、黒々とした大男。
対するは婀娜な仕草の雅な女。

どちらも鬼。

屍山血河の上にて談笑。女が呟いたとおりにそれは久方ぶりの邂逅であった。

ほんの、一時の

「おう、九曜がこえぇ女なのを忘れていたな」怖い怖いと言っては、笑う。豪放磊落を絵に描いたような黒き鬼。
「しかしなぁ、久方ぶりにこっちに返ってきたとおもったら、出迎えつきたぁ、俺もちっとは名が知れてンのかね?」
血に濡れた拳を口許に宛がい頬を覆う。取敢えずの止血か。見た目では傷が塞がったように見えた。
 男に比べれば、小さく、人間とかわらないように見える女。たおやかな仕草で、口許に手をやり、楚々と笑む。
「謙遜するものではないえ、悪鬼大嶽の名は天地に轟いておるわ。だからこうして出迎えも容易い」

そうか。 男はそういって笑う。 そうじゃ。 女はそういって鉄扇を開く。
墨に塗りつぶされた夜が更け、白光が射す朝がはじまる。

むせ返るような血に酔うように潤んだ目を細め大嶽は呟いた
「つまらねぇな」
「つまらぬか」

「おうよ」
「ふふ」
                  光差し込みだす世界。自身を保つよすがを探すように視線を廻らせる。

「俺ぁ殺した。殺しつくした。殺して殺して――殺して。だから世界に。ココに殺される」
つまらねぇよともう一度呟く。
九曜は何も言わない。ただ耳を傾けた。同じように血にまみれながら、枯れた花のようにたたずむ女は、先にしおれる花を見た。

             光が世界を満たす。黒い鬼の姿が褪せる。彼のいる時間は光で埋まればもうどこにもない。

「何れ皆死ぬ。私も、空も、大地もココも、世界も」
慰めのような言葉にげらげらと下品に大嶽が笑う
「にあわねぇ」
「そなたもな」

お互いに、染み入った話は似合わないなと唇をほどく。静かな笑みがまだらの世界を満たす。

           滲みのように光が黒に穴を開ける。夜は駆逐される。更夜は黎明に殺される
噎せる花の香りに女は目を細めた。星の宿る夜の眸。

「んじゃ俺は飽きずに殺すか」
「私は好きなようにしよう」
「お前ぇは好きにしすぎ」
「白湯は美味いぞ、いつか月見湯でもしよう」
「酒は」
「ない」

情け無い叫びが最後に残った宵闇と一緒に、消えた。


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鬼って大すきーという一念の元、へろりとかいてみた。
九曜さんは、いい女なので大好きです!(自分のきゃらだけどありえないくらいに、佳い女なのですよ!
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by blueblue_darkrose | 2006-05-06 01:45